事務職の補助金対象AI講座を比較|移行先で選ぶ一覧2026
事務職が使える補助金・給付金の対象AI講座を比較一覧化。教育訓練給付とリスキリング助成の区分別に実質負担額・学習内容・事務職からの移行先までを2026年の一次データで整理し、給付率だけで選ばない4つの判断軸を示す。
事務職を13年続けてきた佐藤みなみさん(36歳・一般事務)は、この春、社内にAI-OCRと自動仕訳のツールが入り、毎日の入力業務が半分に減りました。空いた時間はうれしいはずなのに、頭に浮かんだのは「私のこの13年、これから何を売りにすればいいんだろう」という不安でした。
補助金でAI講座を受けられると知って調べ始めたものの、講座は数十種類。給付率も学ぶ内容もバラバラで、「文系の事務の私が、どれを選べば途中で挫折しないのか」が分からず手が止まる——これは、いま多くの事務職が同じ場所でつまずいているポイントです。
この記事は、その「どれを選べばいいか分からない」を解くために書きました。補助金の”区分”ごとに対象AI講座を比較一覧化し、講座の先にある事務職の移行先(経理・DX推進・RPA運用など)とセットで選ぶための判断材料を、2026年の一次データでまとめます。
補助金対象のAI講座 比較一覧(事務職向け6選)
先に要点をお伝えします。事務職が「補助金対象」で選ぶべきAI講座は、“給付率の高さ”ではなく”自分の移行先に必要なスキルが学べるか”で決まります。 まずは全体像を1枚で見てください。以下は、教育訓練給付やリスキリング助成の対象になりやすい代表的な講座を、事務職の学び直し目的で並べたものです(給付率・負担額は2026年7月時点の各制度・各社公表情報の目安。申請区分や受講開始日で変わるため、必ず最新の指定講座情報で確認してください)。
| 講座 | タイプ | 主な補助金区分 | 給付/助成の目安 | 事務職の主な狙い |
|---|---|---|---|---|
| Aidemy Premium | AI/データ分析・長期 | 専門実践教育訓練給付ほか | 受講料の最大70%前後 | データ分析・DX推進へ |
| DMM 生成AI CAMP(基礎) | 生成AI実務・短期 | リスキリング助成/給付対象コースあり | コース・企業要件により変動 | 日常業務の生成AI活用 |
| キカガク(AI人材育成 長期) | AI・機械学習・長期 | 専門実践教育訓練給付 | 受講料の最大70% | データ職・DX職へ本格転換 |
| SHIFT AI | AI活用ビジネス | 法人研修・個人プランあり | プランにより変動 | 業務改善・AI活用推進 |
| TechAcademy 各AIコース | プログラミング・AI | 一般/特定一般教育訓練給付 対象コースあり | コースにより20〜最大 | 開発寄りへ広げる |
| SkillHacks(対比:買い切り) | 生成AI・買い切り | 給付対象外(自己負担) | 定額買い切り | まず安く試したい |
給付・助成の”対象になりやすさ”と事務職の相性で、まず候補に挙がるのは長期型のAidemy Premiumと、短期実務型の**DMM 生成AI CAMP(基礎)**です。
Aidemy Premiumは、AIやデータ分析を体系的に学ぶ長期型です。専門実践教育訓練給付の対象講座があり、実質負担を抑えて「事務→データ分析・DX推進」への土台をつくりたい人に向いています。まずは自分の受けたいコースが給付対象かを含めて、無料相談で確認しておくと選択肢を絞りやすくなります。
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一方、DMM 生成AI CAMP(基礎)は、ChatGPTなど生成AIを”いまの事務仕事”にどう使うかを短期で学ぶ実務型です。まず日々の資料作成や問い合わせ対応を効率化したい事務職の入口になります。「学び直しにいきなり長期は不安」という段階なら、こちらから触れてみる選び方もあります。
なお、キカガクは専門実践教育訓練給付の対象として知られる長期コースを持ち、事務職からデータ職へ本格的に移りたい人の有力候補です。SHIFT AIは「AIを作る」より「業務で使いこなす・推進する」側に寄せたい人向けの内容です。給付率や指定講座は年度で変わるため、複数社を無料相談で横並びにして比較するのが遠回りに見えて確実です。スクール全体を横断で比べたい場合は、AIスクールおすすめ比較ランキング10選も合わせて読むと候補が絞りやすくなります。
そもそも事務職が使える補助金・給付金は3系統ある
「補助金対象の講座」を正しく選ぶには、どの制度で・誰に・いくら戻るのかを先に押さえる必要があります。事務職が現実的に使えるのは、大きく次の3系統です。
1. 教育訓練給付(個人が主役・3区分)
働く個人が対象講座を受けて修了すると、受講費の一部がハローワークから戻る制度です。区分で給付率が大きく違います。
| 区分 | 給付率の目安 | 上限の目安 | 事務職での使いどころ |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練給付 | 受講費の20% | 年間10万円 | まず短期で生成AIの基礎を |
| 特定一般教育訓練給付 | 受講費の最大40〜50% | 年間25万円前後 | 中期・実務寄りの講座 |
| 専門実践教育訓練給付 | 受講費の最大70〜80% | 総額最大192万円(最長3年) | 長期でデータ職・DX職へ本格転換 |
専門実践は、受講中に50%、修了して資格取得・就職などの要件を満たすと追加で給付され、合計で最大70〜80%に達します(厚生労働省)。Aidemyやキカガクの長期コースなど「対象講座」に指定されたものだけが使えるため、講座名ではなく指定の有無で確認するのが鉄則です。
2. リスキリング助成(企業・個人それぞれの枠)
- 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース):企業が従業員に研修を受けさせる枠。賃金助成は令和7年4月改正で1時間あたり960円→1,000円に増額、中小企業の経費助成率は**最大75%**です。制度は令和4〜8年度(2026年度末まで)の期間限定と公式に明記されています(厚生労働省)。「会社の制度で学べないか」を上司・人事に確認する価値があります。
- リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(在職者向け):対象講座の受講とキャリア相談・転職支援をセットで受け、補助率は約70%、転職に至ると個人で最大56万円分の補助が受けられる枠です。「学ぶ→移る」を一本の線で支援するのが特徴です。
3. 教育訓練休暇給付金(学ぶ間の生活費を支える)
2025年10月に始まった新しい制度で、無給の教育訓練休暇を取って学び直す人に、賃金の最大80%を最大150日支給します(厚生労働省)。「働きながらだと時間が取れない」事務職が、まとまった学習期間を確保する選択肢です。
要するに、事務職の補助金対象AI講座選びは「講座を選ぶ」前に「自分がどの制度を使えるか」を決めるのが先です。制度と金額の詳しい早見表は教育訓練給付金の対象AI講座|給付率で選ばない選び方に、事務職がいくら戻るかの試算は事務職のリスキリング補助金はいくらもらえる?にまとめています。制度が使えるかを確認したうえで、対象コースの有無を無料相談で押さえておくと、一番戻りの大きい選択肢を逃しません。
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なぜ今、事務職の学び直しなのか(2026年データ)
「AIで事務がなくなる」という言葉に急かされる必要はありません。ただ、事務の”中身”が変わっているのは、数字にはっきり出ています。
いわゆるキラキラした仕事はAIで出来るから今後求人が激減する。昨日DX展示会行ったけど事務、サポート等はAIばかりだった。対して現場技術系はAI無理だから仕事はなくならない。 — Xユーザー(事務職)2025年11月
現場の実感を裏づけるように、一般事務の有効求人倍率は0.3倍(厚生労働省)と、1つの椅子を3人で取り合う水準です。事務職の求人は2026年に入って前年比で約-16%まで落ちました。一方で、経済産業省は2040年に事務職が約440万人余り、AIを活用できる人材が約340万人不足すると推計しています。仕事の総量ではなく、“中身”が二極化しているのです。
国内の一次情報も揃ってきました。経団連は2026年4月の報告書で「会計・財務・税務」「定型的な書類作成」「労務管理」をAIによる代替の検討対象として明記しました。会計SaaS大手のIntuitが2026年に約3,000人を削減してAIへ再配分し、国内でもマネーフォワードが自律型の業務エージェント「AI Cowork」を2026年7月に提供開始するなど、事務・経理まわりのツール化は加速しています。
ここで大切なのは、世界経済フォーラム(WEF)が「今後5年で職場のコアスキルの36〜44%が陳腐化する」と示している点です。これはAIに仕事を奪われるという話ではなく、「同じ職種のままでも求められるスキルが入れ替わる」という意味です。だからこそ、余剰になる440万人の側ではなく、不足する340万人の側に立つための学び直しに、国が補助金を用意しています。事務職がなくなるかどうかの全体像は事務職は2030年になくなる?WEF・経産省データで読むで詳しく整理しています。まずは今の事務業務で生成AIを触ってみるところからでも、二極化の”不足する側”へ一歩踏み出せます。
給付率だけで選ぶと後悔する — 事務職の講座選び4軸
補助金対象の講座を「給付率が一番高いから」で選ぶと、多くの人が同じ壁にぶつかります。学び始めてから「この内容、自分の仕事や次のキャリアに結びつかない」と気づくパターンです。
リスキリングで収入を上げるみたいな話はよく出るけど、入った現場がパソコンをみっちり使うところで、作業の仕方から何から全部口頭説明なの。ついていくだけで精一杯。 — Xユーザー(事務職・就職氷河期世代)2026年4月
数年前、AIが怖いから転職すると言ったら、10人中9人に不思議がられた。でも、私が恐れていたのはそっちじゃないんだよ。 — Xユーザー(元公務員)2026年4月
この2つの声は、講座選びで本当に見るべきものを教えてくれます。1つ目は「続けられる難易度か」、2つ目は「恐れの正体(=何のために学ぶか)を自分で言語化できているか」です。給付率は最後に効いてくる要素で、最初に見るべきは次の4軸です。
- 給付区分と実質負担額:給付率だけでなく「最終的にいくら払うか」で比べる。専門実践なら実質2〜3割負担まで下がることもあります。
- 学ぶ目的と移行先の一致:「生成AIを今の事務で使う」のか「データ職・DX職へ移る」のかで、選ぶ講座はまったく別です(次章の移行先表を参照)。
- 受講形態と続けやすさ:文系・非エンジニアがつまずくのは難易度より”孤独”です。メンター伴走・質問対応の手厚さを確認しましょう。
- 修了・就職要件とキャリア接続:専門実践や在職者向け補助は「修了・就職」で給付額が変わります。転職支援まで含むかを見ておくと無駄がありません。
この4軸は、無料相談で各社に同じ質問をぶつけると一気に比較できます。特に「文系事務出身の受講生がどのくらい続いているか」「途中で分からなくなったときの質問手段」は、パンフレットに載らない本音が出やすい質問です。
講座の先の「移行先」とセットで選ぶ(事務職→年収レンジ)
補助金対象のAI講座は、ゴールではなく通過点です。「学んだあと、どこへ移るか」を決めてから講座を選ぶと、失敗がぐっと減ります。事務職からの現実的な移行先と、必要スキル・対応する講座タイプを1枚にしました(年収は求人統計の一般的なレンジの目安)。
| 移行先 | 年収レンジの目安 | 主に必要なスキル | 相性のよい講座タイプ |
|---|---|---|---|
| AI活用した一般事務(残る側) | 320〜420万円 | 生成AIの実務活用・業務設計 | 生成AI短期(DMM基礎など) |
| 経理・会計(AI補完型) | 380〜520万円 | 会計知識+AI-OCR/自動仕訳の運用 | 生成AI+簿記の組合せ |
| DX推進・業務改善 | 420〜600万円 | データ分析・業務可視化・AI導入推進 | データ分析長期(Aidemy・キカガクなど) |
| RPA・業務自動化運用 | 400〜580万円 | 自動化ツール設定・簡単な開発 | AI/プログラミング長期 |
| カスタマーサクセス | 380〜520万円 | 対人+AIツール運用 | 生成AI活用+対人スキル |
厚生労働省の調査ベースでは、リスキリングを経て転職した人の約6割(62.3%)が年収増を実現しています。事務職(平均約320〜380万円)からDX推進・RPA運用へ移れれば、年収+100〜200万円台も現実的なレンジに入ります。移行先ごとの詳しい年収と始め方は事務職からDX・RPA職への転職と年収レンジにまとめました。
大事なのは、講座と移行先と転職支援を”別々に”考えないことです。在職者向けのリスキリング補助は「学ぶ→移る」をセットで支援しますし、講座と並行して転職エージェントに相談しておくと、求人の実態から逆算して「本当に必要なスキル」が見えます。まずは求人を見て移行先の温度感をつかむだけでも、講座選びの解像度が上がります。
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補助金申請の流れと、今週やる1つのこと
制度は理解できても、申請の入り口でつまずく人が多いのが実情です。事務職の学び直しでの標準的な流れは次の5ステップです。
- 対象講座を検索する:厚生労働省「教育訓練給付制度検索システム」で、分野やキーワード(AI・情報関係など)から指定講座を探します。
- 受給資格を確認する:ハローワークで雇用保険の加入期間などの受給要件を確認。在職者向け補助やキャリア相談もこの段階で。
- 申請・手続きをする:受講開始日が指定期間内か、必要書類は何かを確認して提出します。
- 受講する:専門実践では受講中に50%が給付される区分があります。
- 修了・就職で追加給付を受ける:修了要件・就職要件を満たすと給付率が上乗せされます。
「一気に全部やろう」とすると手が止まります。今週やることは1つだけで十分です——検索システムか各社の無料相談で「自分のコースが給付対象か」を確認する。それだけで、数十種類あった選択肢が一気に3つ程度まで絞れます。無料相談は複数社を同じ質問で回すと、給付対象の有無・実質負担額・事務職出身者の継続率を横並びで比べられます。体系的に学べる長期型に対象コースがあるかを先に押さえておくと、専門実践給付という戻りの大きい選択肢を逃さずに済みます。
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まとめ:給付率ではなく「移行先」から逆算する
事務職の補助金対象AI講座選びは、次の順番で考えると迷いません。
- ①制度を決める:教育訓練給付(一般20%〜専門実践最大80%)/リスキリング助成(個人最大56万円・企業補助率75%)/教育訓練休暇給付金(賃金最大80%)の3系統から、自分が使える枠を確認する。
- ②移行先を決める:残る側(AI活用事務)か、移る側(経理・DX推進・RPA運用)か。年収レンジとセットで選ぶ。
- ③講座を選ぶ:移行先に必要なスキルが学べ、続けられる形態で、給付対象のものを。給付率は最後に効く。
佐藤みなみさんのように「13年の事務が急に古びた気がする」と感じたなら、それはスキルが入れ替わる合図であって、価値がなくなった合図ではありません。国が補助金を用意しているのは、いまが余剰の側から不足の側へ移る好機だからです。まず今週、対象講座の確認という小さな一歩から始めてみてください。
あなたの場合は?
職種・年齢・いまの業務によって、狙うべき補助金区分も、相性のよい講座も、移行先も変わります。3分の診断で、あなたに合った補助金活用と学び直しの方向性を提示します。
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出典(一次情報・2026年7月時点)
- 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」パンフレット(賃金助成1,000円/h・中小経費助成率75%・令和4〜8年度)
- 厚生労働省「教育訓練給付制度」(一般・特定一般・専門実践の給付率と上限)/教育訓練休暇給付金(2025年10月開始・賃金最大80%・最大150日)
- 経済産業省「2040年の労働市場に関する推計」(事務職約440万人余剰・AI活用人材約340万人不足)
- 一般社団法人 日本経済団体連合会「HR部門におけるAI等の活用に関する報告書」2026年4月14日(https://www.keidanren.or.jp/policy/2026/016.pdf)
- World Economic Forum「Future of Jobs/AIと初級職の未来」2026(コアスキル36〜44%が今後5年で陳腐化)
- TechCrunch「AI起因レイオフ集計」2026年7月6日更新(Intuit 約3,000人削減・AIへ再配分)
- マネーフォワード「AI Cowork」提供開始リリース 2026年(https://corp.moneyforward.com/news/release/service/20260416-mf-press-1/)
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