事務から営業への転身体験談3名|AI時代に活きた事務経験と年収+80〜160万
AIで事務職が縮小する中、営業へ転身した3名の体験談。みずほ事務職5,000人配置転換やSalesforceの事例を背景に、事務出身者が営業で活きるスキルと使ったスクール・転職EAを公開。
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「事務職5,000人を配置転換、AIで仕事を肩代わり」——みずほフィナンシャルグループが2026年5月に打ち出した一文に、ハッと立ち止まった人は少なくない。事務でやってきた仕事が、本当に営業に変わるのか。変わるとして、自分にもできるのか。本記事では、AI時代の「事務→営業」転身を実際にやり切った3名の体験談を、学習ルートと使ったサービスごと記録した。
AI時代に「事務→営業」転身が現実化した3つのトリガー
早見表:3名の転身プロフィール
| 名前(仮名) | 年齢 | 前職 | 現職 | 年収変化 | 学習期間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 田村 咲子 | 32 | 一般事務(メーカー) | IT営業(SaaS企業) | 380万 → 520万 | 6ヶ月 |
| 中川 雄一 | 38 | 営業事務(商社) | 法人営業(同社内異動→他社転職) | 450万 → 610万 | 8ヶ月 |
| 内藤 美香 | 29 | データ入力(BPO) | インサイドセールス(SaaS) | 340万 → 460万 | 5ヶ月 |
「事務→営業」がここ1年で一気に現実化した背景には、3つの構造変化がある。
1つ目は「事務職余剰」の数字が動いたこと。経済産業省の2040年就業構造推計(2026年3月改訂)では、事務職は440万人余剰になる一方、AI・ロボット利活用人材は340万人不足する見通しが示された(出典: 経産省 就業構造推計)。
2つ目はSalesforceの「人を消さず、配置を変える」モデルだ。Marc Benioff CEOは2026年5月、サポート人員を9,000人 → 5,000人へ約44%削減しつつ、AI製品説明のため営業職を1,000〜2,000名増員する方針を示した(出典: Fortune via Yahoo Finance 2026-05-18)。**「AIが人を消す」のではなく「AIが人を再配置する」**という構造が、巨大企業の決算と人事に同時に現れた。
3つ目は国内の主要銀行が同じ動きを取ったこと。Xにはこんな投稿があった。
君には長年事務作業やってもらってたけど、これからはAIが同じ作業やってくれるからさ…次は営業やってもらおうと思うんだよ! 大丈夫、リスキリング研修するからさ! みずほFGが事務職5000人削減へ…事務センターにAI本格導入、配置転換進め収益力強化 — Xユーザー(コンサルタント)2026年5月
この皮肉まじりの一文に、事務職の現場感が凝縮されている。「クビ」ではなく「次は営業をやってもらう」——これがAI時代の事務職を巡る最大の変化だ。
「事務がなくなる前に、自分から営業を選んだ方が早い」と動き始めた3名のリアルを、以下で詳しく見ていく。
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田村咲子(32歳・元一般事務 → IT営業)の転身体験
Before|「電話を取り次ぐだけで一日が終わる」毎日
田村さんは新卒で都内のメーカーに入社し、9年間一般事務として働いた。仕事は受発注処理、来客対応、社内決裁の回覧、見積書の作成補助。年収は380万円で頭打ち。「悪い職場ではない。でも、私の10年分の経験を、Excelマクロを覚えた新人がすぐに追い越していく感覚があった」と振り返る。
転機は2026年2月。社内に生成AIが導入され、見積書の作成補助が従来の3時間 → 8分に短縮された。事務スタッフの増員凍結が決まり、上司から「来期から営業推進部で経験を積んでみないか」と打診された。
学習ルート|営業AIツールに先に触れる戦略
田村さんは「営業未経験で外の会社に行くのは怖い」と感じたため、まず社内で営業経験を作る戦略を取った。
- 3月: 営業推進部に異動(社内)。営業同行・データ集計担当からスタート
- 4月: DMM 生成AI CAMP 営業コース
。受講開始(3ヶ月/約30万円・教育訓練給付金対象外確認済み)
- 5月: 商談録音→要約、提案資料の構造化、メール返信のテンプレ化をAIで実装。同期営業マンより資料作成が速くなる
- 6月: 営業同行から自分が話す側へ。インサイドセールス案件3件をクロージング
Job Change|社外転職を決めた瞬間
社内営業として6ヶ月走った田村さんは、「社内では『元事務』の目で見られ続ける」と感じ、外の会社で再スタートする決断をする。社内営業経験6ヶ月を職務経歴書の主軸にし、AI活用実績を3つ具体的に書き分けた。
利用した転職エージェントは2つ。
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応募8社→面接5社→内定2社。最終的にSaaS企業のIT営業(インサイドセールス→フィールドセールスへの3ヶ月ロード前提)に内定し、**年収380万 → 520万(+140万)**で転職した。
After|「事務で培った段取り力が、営業で一番効いた」
「営業に向いてないと思っていた性格——根回し、書類整備、抜け漏れチェック——が、商談プロセスの管理ではむしろ強みだった。AIが営業資料を量産する時代だからこそ、『何を出すか』を整理する事務脳が活きた」(田村さん)。
田村さんが転身判断のために最も役立ったと挙げたのが、決断前の壁打ちセッションだった。
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中川雄一(38歳・元営業事務 → 法人営業)の転身体験
Before|「営業の数字を作る側」だった14年間
中川さんは商社の営業事務として14年。仕事は受注処理、与信管理、契約書のリーガルチェック補助、営業同行(議事録要員)、月次の数字集計。「営業マンを後ろから支える役割が好きだった」が、2026年に営業事務2名のうち1名が早期退職勧奨を受けたタイミングで、「次は自分かもしれない」と感じた。
ここで中川さんがXで偶然見つけたのが、同じ立場の経験者の声だった。
事務作業中心だった部署、AI導入で半数が配置転換になった。私は営業に異動。最初は不安しかなかったけど、AIで提案資料を爆速で作れるから、意外と事務で培ったタスク管理力が活きてる。 — Xユーザー(事務→営業転身者)2026年5月
「私と同じだ」と感じた中川さんは、社内営業転換の打診を受け入れた上で、38歳からの法人営業転職を視野に入れた学習を始めた。
学習ルート|「自分の数字に責任を持つ」訓練
- 6月〜7月: 社内営業(法人ルートセールス)に異動。担当顧客15社を引き継ぐ
- 8月〜9月: DMM 生成AI CAMP 営業コース
。商談録音→AI要約→次アクション抽出のワークフローを構築
- 10月: 担当15社のうち3社で年間契約金額を増額。AI提案資料の品質が刺さった
- 11月〜12月: 法人営業の数字を半期で前年比+118%達成。「数字を持つ」体験で自信が変わった
Job Change|38歳での外部転職
中川さんは「社内では永遠に『元営業事務』」と感じ、外部転職を決意。法人営業未経験での38歳転職は厳しいが、社内営業6ヶ月の数字とAI提案実装の具体性で勝負することにした。
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応募12社→面接7社→内定2社。**年収450万 → 610万(+160万)**で他社の法人営業に転職した。
After|「営業事務の与信管理経験が、商談の信頼設計で活きた」
「与信管理で『この会社は本当に払えるか』を見続けた14年間が、商談の場で『この決裁者は本当にハンコを押せる立場か』を見抜く力になった。AIが提案資料を作る時代に、『誰に出すか』を見極める眼は、新卒の営業マンには5年は追いつけない」(中川さん)。
内藤美香(29歳・元データ入力 → インサイドセールス)の転身体験
Before|「6時間ずっと数字を打ち続ける」職場
内藤さんはBPO企業のデータ入力部門に4年在籍。生命保険の顧客データを1日6時間ひたすら入力する仕事だった。年収は340万円。「同期の8割は1〜2年で辞めた。AIが入って一気にラインが半分になり、29歳の自分にも『次』を考えるタイミングが来た」。
学習ルート|「話す筋肉」のゼロからの作り直し
データ入力一筋だった内藤さんは、人と話す訓練がほぼゼロだった。
- 1月: 社内のインサイドセールス部門に異動希望を出す。週1日のロールプレイ研修を3ヶ月
- 2月〜3月: DMM 生成AI CAMP 営業コース
。AI商談コーチング(録音→AIフィードバック)を毎日30分
- 4月: インサイドセールス着任。1日40件のコール→8件のアポ獲得を平均化
- 5月: 月間トップアポインターに(チーム内)
Job Change|29歳・経験5ヶ月での外部転職
「BPO企業の社内インサイドセールスは時給制で頭打ち」と感じた内藤さんは、SaaS企業への転職を選択。
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応募15社→面接6社→内定2社。**年収340万 → 460万(+120万)**でSaaSスタートアップのインサイドセールスに転職した。
After|「データ入力の集中力が、コールの正確性で活きた」
「データ入力で1文字も間違えない訓練をしてきたので、コールリストの取り違えやヒアリング内容の聞き漏らしがほぼゼロ。AIに録音させてもAIが拾い切れない数字の前後関係を、自分の耳と手が補完できる」(内藤さん)。
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事務→営業転身を成功させる5ステップ
3名の体験談から共通する成功パターンを抽出すると、以下の5ステップに整理できる。
| Step | 内容 | 期間目安 | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 自己診断(営業適性/AI活用適性) | 1〜2週 | 0円 |
| 2 | AI営業ツール習得(提案AI/商談AI) | 2〜3ヶ月 | 0〜30万円 |
| 3 | 社内副業/社内営業ロールプレイ | 1ヶ月 | 0円 |
| 4 | 転職活動(エージェント2〜3社並走) | 1〜2ヶ月 | 0円 |
| 5 | 転身(社内異動 or 社外転職) | — | — |
Step 1|自己診断は「営業適性」より「逃げ場の有無」から
3名とも、最初に取り組んだのは「営業に向いているか」ではなく「事務に留まる選択肢が今後5年あるか」の検証だった。経産省データ(事務職440万人余剰/AI人材340万人不足)と、自社の事務職人数の推移を重ねると、5年後の自分のポジションが残っている確率が見えてくる。
Step 2|AI営業ツールで「営業未経験」を相殺する
提案資料作成、商談録音→要約、メール返信テンプレ、顧客リサーチ——営業の作業はAIで7〜8割代替できる時代になった。事務出身者の弱点(人脈・経験年数)を、AIスキルで相殺できるのがいまの転職市場の特殊性だ。
Step 3|社内営業を「踏み台」にする
3名全員が、いきなり社外転職せず社内営業6〜8ヶ月を経由した。これが職務経歴書で「数字を持った経験」として書ける唯一の材料になる。
Step 4|転職エージェントは「業界最大手+未経験特化」を並走
業界最大手1社(doda or リクルートエージェント)と、年代特化1社(20代ならR4CAREER、30代後半以上ならパソナキャリア)を並走するのが、面接の母数を最大化する常套手段だ。
Step 5|転身の意思決定は「45分の壁打ち」で言語化する
決断の最後に、3名とも第三者との45分セッションを使っている。**家族や同僚は『あなたを心配する人』**だが、コーチは『あなたの判断を言語化する人』だ。
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失敗パターンと「やってはいけない」3つの罠
転身が常にうまくいくとは限らない。3名のインタビューで明確になったやってはいけないパターンは3つだ。
罠1|「営業職全般」を一括りにしない
法人営業/IT営業/インサイドセールス/カスタマーサクセス/フィールドセールス——AI時代の営業は5系統に細分化されている。自分の事務スキルがどの系統に活きるかを見極めずに「営業に行こう」と決めると、3ヶ月で挫折する。
- 与信管理・契約書チェック経験 → 法人営業(中川さん型)
- データ入力・タスク管理 → インサイドセールス(内藤さん型)
- 部署内調整・社内営業 → IT営業/カスタマーサクセス(田村さん型)
罠2|「年収を維持」を初期条件にしない
3名とも、転職初期に年収横ばい or 一時的に下がる可能性を許容している。1〜2年で年収が80〜160万円上振れする構造は、「最初の3ヶ月の年収」を死守しないからこそ実現する。
「信頼をゼロから積み直す」ここが一番しんどい。経理22年あっても、部署が変われば最初は雑務からだった。プライドは削られるけど、構造だと分かるだけで少し耐え方が変わる。まだ途中。 — Xユーザー(経理22年・キャリア再構築中)2026年5月
事務22年で営業転身を進める人の声だが、**「プライドが削られる構造を理解しておく」**という一文は、転身を決めた人の道具になる。
罠3|「AIスクールに通えば営業に転職できる」を信じない
AIスクールは営業の道具を増やす装置であり、営業の経験を作る装置ではない。3名とも社内営業6〜8ヶ月をはさんでいる。順序は「Step 2 AIスクール」→「Step 3 社内営業」→「Step 4 転職活動」だ。スクールだけで転職市場に出るのは、ジムに通っただけで試合に出る選手と同じ。
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まとめ|事務経験は、営業の最大の資本になる
事務職が縮小する流れは止められない。一方で、AIで効率化された営業現場は**「事務出身者の段取り力・整理力・与信観」を必要としている**。3名の体験談が示すのは、「事務はAIに奪われる」ではなく、「事務はAIと組んで営業の中で活きる」という構造変化だ。
5年後に「もっと早く動けばよかった」と思わないために、まず自己診断 → AIツール習得 → 社内営業 → 転職活動の順序で、Step 1だけでも今週中に動く。それが、AI時代の事務職にとって最も合理的な一歩になる。
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