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Salesforce 6月再解雇でエンジニアと営業に出た正反対のサイン
ガイド 公開: 2026-06-13

Salesforce 6月再解雇でエンジニアと営業に出た正反対のサイン

2026/6/10 Salesforce第二次解雇86人と、SWE求人2020年比-49%だが2026年は前年比+11%回復という二重シグナル。20-30代エンジニアの3つの選択肢を一次データで整理。

あなたの職種・年齢で「いま動くべきか」が3分で分かります。

3分で診断 → 最適な一歩が分かる

2026年6月10日、Salesforceはカリフォルニア州WARN通知で第二次解雇86人を公表した。2026年2月の1,000人未満カットに続く動きで、対象はAgentforce・MuleSoft・Marketing Cloudなど自社AI製品周辺チームに集中している(American Bazaar Online, 2026-06-10)。一方で同社CEOは1ヶ月前のFortuneインタビューで「エンジニアもGAも追加採用していない。AIで効率化したから。唯一拡大している部署は営業」と言い切った(Fortune, 2026-05-28)。

同じ時期、米国SWE求人は2020年初頭比-49%という底値を経験しながら、2026年は前年比+11%で底打ち兆候を見せている(Fortune, 2026-05-28)。エンジニアの世界に「採るのを止める」と「実は求人は回復している」という逆方向の二重シグナルが同時に走っている。

この記事は、20-30代エンジニアが次の半年で何を選ぶかを、6月10日までに公表された一次データだけで整理する。「採用停止」と「求人回復」のどちらが本当か、ではなく、両方が同時に起きている時代に自分の現在地をどこに置き直すかを考えるための材料を並べる。

エンジニアと営業に出た正反対の風 — Salesforce 6月再解雇の全体像

AI失業の流れがヤバい、、、日本では解雇が難しいので、契約社員の更新停止・新卒枠の削減が最初のインパクト。みずほFG 10年で1.9万人削減を検討。Microsoft AI投資資金確保のため7000人解雇。Salesforce 2025年エンジニアの新卒採用停止。 — Xユーザー(営業職)2026年2月

2026年6月10日、Salesforceはカリフォルニア州WARN通知で86人の解雇を公表した。2026年2月の1,000人未満カットに続く第二次ラウンドで、対象は Agentforce / MuleSoft / Marketing Cloud などの自社AI製品周辺チーム。解雇された社員には2026年8月7日まで給与継続、勤続年数に応じ最大6ヶ月の退職金、60歳以上は4週間追加、という比較的厚い条件が付いている(American Bazaar Online, 2026-06-10)。

同じ会社の数字を別の角度から見ると、矛盾の輪郭が見えてくる。

指標数値期間出典
Salesforce 第二次解雇86人2026-06-10公表American Bazaar Online
Salesforce 第一次解雇1,000人未満2026年2月同上
Anthropic API 年間支出計画$300M(約450億円)2026年同上
エンジニア人員約15,000人で2年フラット2024-2026年Fortune, 2026-05-28
Agentforce 年換算売上$1B 達成済み2026年5月時点Fortune, 2026-05-28
SaaS企業の営業採用増計画66%2025年Fortune, 2026-05-28
米SWE求人2020年比-49%2024-2025年Fortune, 2026-05-28
米SWE求人2026年は前年比+11%2026年Fortune, 2026-05-28

ここで読み取れるのは「AIへの投資は最大化されているが、人員の増減は職種で完全に分かれている」という構造である。Anthropicへ年間450億円を支払いながら、エンジニアは2年間1人も増やしていない。これは「AIを売る側のチームが、自社AIで自部門の追加採用を止めた」という、SaaS史で例のない循環構造だ。

そして同じ会社のCEOが「営業だけは追加採用している」と公言している。AIが内部で効率化を進めれば進めるほど、それを売る営業の枠は増える、という非対称な動き。この非対称が、20-30代エンジニアの転職判断にどう跳ね返ってくるのかを以下で見ていく。

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Benioff『エンジニアもGAも追加しない、営業だけ採る』発言の重み

2026年5月28日、Salesforce CEO Marc Benioffはインタビューで以下のように発言した(Fortune, 2026-05-28)。

  • 「エンジニアもGA(管理職)も追加採用していない。AIで効率化したから」
  • 「ソフトウェアエンジニアの headcountは約15,000人で2年間フラット」
  • 「唯一拡大している部署は営業」

この発言の重みは2つの数字で裏付けられている。第一にSaaS企業の66%が2025年に営業採用増を計画していたこと(Fortune調査)。第二にSalesforce自身が2024年に営業2,000人追加を発表済みであること。つまり「営業だけ採る」はBenioffだけのスタンスではなく、SaaS業界の集合的な選択になりつつある。

なぜAIで効率化された企業が営業を増やすのか。Fortuneは記事内で構造を整理している。

部門AI効率化後の変化採用方針
エンジニアコード生成・テスト・運用がAI支援化据え置き or 削減
GA(管理職)レポート作成・進捗管理がAI化据え置き
カスタマーサポート一次対応がAgentforce化削減傾向
営業(フィールドセールス)AIで作った余力を販売拡大に転換拡大
営業(インサイドセールス)リード処理を自動化、量で勝負部分拡大

「AIで生まれた余力を、新規顧客獲得に振り向ける」という構造的な選択。Benioff自身が「Agentforceは年間$1Bに到達した。次は流通を増やす」と発言しており、AIプロダクトの売上を伸ばすのは依然として人間の営業という前提が背後にある。

ここで20-30代エンジニアにとって重要な問いが立ち上がる。「営業だけが採用されているなら、自分は営業に転身すべきか?」。答えは単純な「Yes」ではない。次のH2で、もう一つの逆方向のシグナルを見る。

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一方で日本ではエンジニア離脱より「事務職5,000人 → 営業配置転換」が先行

銀行事務のAI代替広がる みずほ5000人分削減、営業や運用に配置転換。三菱UFJFGはスピーチライターなど20業務で「AI行員」を導入。みずほFGは人員の再配置を検討。営業部門の手厚さが収益拡充の肝になるという発想への転換を映しています。 — Xユーザー(日本経済新聞 電子版)2026年3月

国内の動きは米国と微妙にズレている。みずほフィナンシャルグループは2026年2月、10年で5,000人の事務職をAI代替する計画を公表した(Bloomberg, 2026-02-27)。ここで押さえておきたいのは、「全員解雇」ではなく**「営業や運用に配置転換」**という設計になっている点だ。

日本企業は解雇規制が厳しいため、契約社員の更新停止と新卒枠の削減から始まる(X引用1のLIN氏の指摘どおり)。その先に来るのが「事務職→営業職への社内異動」。みずほのケースが象徴的なのは、営業職という枠が日米共通で「AI余力の受け皿」になっていることを示している点だ。

動き方米国(Salesforce型)日本(みずほ型)
第一段階エンジニア採用フラット化契約社員更新停止/新卒削減
第二段階営業の追加採用事務職を営業に配置転換
第三段階部分的レイオフ(86人など)自然減で吸収
受け皿の方向営業職営業職・運用

「営業に行くのが正解」という結論を急ぐ前に、米国の対照シグナルをもう一つ並べる必要がある。

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SWE求人「2020年比-49%」だが「2026年前年比+11%」 — もうひとつのシグナル

ソフトウェアエンジニアの求人は、実際には堅調だよという話。2026年に入り、テクノロジー業界の求人数は急激に回復している。この傾向は、AIがエンジニアの仕事を奪うという一般的な懸念を覆すもの。 — Xユーザー(ソフトウェアエンジニア)2026年6月

Salesforceが象徴する「エンジニア採用停止」とは別の数字も存在する。米国SWE求人指数は2020年初頭比で-49%という底を打ったあと、2026年は前年比+11%で回復を始めている(Fortune, 2026-05-28)。

つまり米国エンジニア市場では「2024年までの大型レイオフ反動が一段落し、2026年から底打ち反転」が起きている。これは「Salesforceは依然フラット、しかし市場全体では回復」という二層の動きとして理解する必要がある。

なぜこの二層構造が起きるのか。Fortuneと業界アナリストの整理を統合すると次の3要因が浮かぶ。

  1. 大手SaaSは自社AIで内部効率化が進み採用ペースを抑制(Salesforce型)
  2. スタートアップ/AI企業は逆にエンジニア需要が急増(Anthropic, OpenAI, Nvidia, スタートアップ群)
  3. 金融・製造・小売の「AIを使う側」企業ではエンジニア採用が増加(DXシフトの遅延組)
エンジニア種別2026年6月時点の需要主な採用元
大手SaaS既存事業のSWE据え置き or 微減Salesforce, 大手SaaS
AI基盤・LLM側SWE急増Anthropic, OpenAI, Nvidia, スタートアップ
事業会社のAI実装SWE増加金融, 製造, 小売
AI営業×エンジニア知識拡大SaaS各社, AIスタートアップ

つまり「採用停止」と「+11%回復」はどちらも事実で、分布が職場・職種で大きく偏っている。20-30代エンジニアにとって意味するのは、いる会社の種別を見ずに「エンジニアは終わり」と判断するのは早計だが、Salesforce型の大手SaaS既存事業に居続ける戦略はリスクが上がっているということだ。

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20-30代エンジニアの3つの選択肢 — 横異動/営業転身/SWE専門深化

ここまでの一次データを20-30代エンジニアの意思決定に落とすと、選択肢は3つに整理できる。どれが正解ではなく自分の現在地と適性に応じて選ぶもの。

選択肢A: 社内AI推進職へ横異動(最短2-6ヶ月)

現職に留まったまま、AI実装側のチームへ社内異動する道。Salesforce型企業に在籍する場合の現実解。日本の事業会社では「AI推進室」「DX推進部」「データ・AI戦略本部」などの枠が2025-2026年で急増している。

  • 想定所要時間: 2-6ヶ月(社内公募→面談→異動)
  • 必要追加スキル: 生成AIの実装経験(Dify / LangChain / RAG 等)
  • 年収変化: ±0〜+50万円(同社内グレード)
  • 向く人: 業務知識を活かしながら配置を変えたい人、転職リスクを取りたくない人

選択肢B: 営業職への転身(最短3-9ヶ月)

SaaS各社が拡大している営業職へ職種転換する道。エンジニア出身者はプロダクト理解が深いため、技術営業・カスタマーサクセス・ソリューションコンサルなどで強い。Benioff発言と SaaS66%データが示すとおり、市場としては拡大局面。

  • 想定所要時間: 3-9ヶ月(業界研究→ポートフォリオ→面接)
  • 必要追加スキル: 商談プロセス・KPI管理・顧客折衝
  • 年収変化: -50万〜+200万円(インセンティブ次第で幅大)
  • 向く人: 顧客対峙が苦でない人、AIプロダクトの売り手側に回りたい人

選択肢C: SWE専門深化(AI基盤側 or 事業会社AI実装側)

AI基盤・LLM側 or 事業会社AI実装側へ転職する道。SWE求人指数+11%底打ちが意味するのは、こちらのルートが2026年以降開いてきていること。AnthropicやOpenAIだけではなく、金融・製造・小売のAI実装求人が国内でも増加している。

  • 想定所要時間: 3-12ヶ月(学習→ポートフォリオ→転職活動)
  • 必要追加スキル: LLM活用設計、MLOps、RAG/エージェント実装
  • 年収変化: +100万〜+400万円(基盤系・スタートアップ)
  • 向く人: コードを書き続けたい人、AI実装スキルを深掘りしたい人

経産省と野村総合研究所の予測を併置すると、この3つの選択肢の重みが見えてくる。2040年までに事務職440万人余剰/AI利活用人材は340万人不足(NRI, 2026-02)。AI・ロボット人材は2040年に326万人不足(経済産業省, 2026-01)。中長期で需要が確実に伸びる先は「AI利活用人材」と「営業(AIを売る側)」の2方向で、選択肢B・Cはこの中長期需要に正面から接続する。

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今週やる1つだけのこと — 自分の現在地を「3社の動き」で測る

3つの選択肢を抽象的に考えるより、今週、自分の現在地を3社の動きと比較する1時間を取ったほうが具体的に進む。

  1. 自社の動きを見る: 直近6ヶ月で「AI推進室/DX推進部/データ・AI戦略本部」の人員が増えたか、社内公募が出ているか。出ていれば選択肢Aの可能性が現実的にある。
  2. 同業他社のSaaS営業求人を見る: SaaSの営業職求人で「エンジニア出身歓迎」「ソリューションエンジニア」「テクニカルセールス」が増えていれば選択肢Bが開いている。
  3. AI実装求人の年収レンジを見る: 「LangChain」「RAG」「LLMアプリケーション」を含む求人で年収レンジが+100万以上開いていれば選択肢Cの市場が立ち上がっている。

この3つを30分ずつ計1時間半で測れば、Salesforceの86人解雇とSWE+11%回復のどちらが自分の状況に近いかが見えるはず。

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まとめ — 二重シグナルの時代に問うべきは「どこに居るか」

2026年6月10日のSalesforce第二次解雇86人と、SWE求人+11%回復という二重シグナル。両方が同時に走る時代に「エンジニアは終わり」も「エンジニアは安泰」も極論である。本当に問うべきは自分が今どの種別の会社のどの種別のチームに居るかであり、その位置が中長期需要(AI利活用人材340万不足/営業拡大/事務職440万余剰)に対してどちらを向いているかである。

3つの選択肢(A: 社内AI推進横異動 / B: 営業職転身 / C: SWE専門深化)は、年齢でも所属でもなく今の現在地と中長期需要のベクトル差で選ぶ。今週の1時間半で自社・同業SaaS営業・AI実装求人の3点を測れば、自分のベクトルがどちらに向いているかが見えるはず。

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